
近年、国内では誰も住んでいない空き家の増加が社会問題として取り沙汰されています。
空き家は需要がなければ住宅としての利用が難しい一方、アート展示など幅広い活用が可能です。
今回は、空き家の現状とアート展示の試みとは何か、空き家でのアートイベントの事例や海外での取り組みについてご紹介します。
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空き家の現状とアート展示の試みとは

日本では、少子高齢化や核家族化、若者による都心部への移住などにより、地方などの空き家が増加している現状にあります。
総務省による「令和5年住宅・土地統計調査」では、平成30年の調査結果よりも住宅全体における空き家の割合が0.2ポイント増加し、13.8%で過去最高になっているとの報告があります。
このように増加する空き家の問題を解決するためにさまざまな取り組みがおこなわれており、アート展示による利用もその一環です。
空き家でのアート展示とは、アーティストやイベントの主催者が空き家をリノベーションして開催する地域型のアートイベントです。
アート展示を空き家でおこなうことにより、さまざまなメリットが期待されています。
空き家を活用して地域を活性化できる
空き家をアート展示に利用するメリットは、イベントとして開催することによる地域の活性化です。
アーティスト自身がデザインに関わって空き家をリノベーションすることにより、空き家自体もアート作品にでき、話題性を高められます。
また、エリア一帯をイベント会場として定期的に使用することにより、イベントの知名度を高めて集客力を高め、地域の活性化につなげられます。
空き家は地域の歴史や文化を保存している存在でもあるため、外部の方にとっては物珍しい観光資源になる可能性もあるでしょう。
空き家そのものが持つリスクの軽減
空き家をアート展示に利用すると、空き家が持つさまざまなリスクの軽減が可能です。
誰も住まなくなった空き家は、適切な管理がおこなわれていないと急速に劣化してしまうものです。
その結果、地域の景観が悪くなったり、倒壊して安全上の問題が発生したりといった懸念があります。
アートの展示会場として利用すれば、定期的に人が訪れるため管理されやすくなり、空き家の劣化を食い止められます。
さらに、人の出入りが発生することによって不法投棄や放火など、人目につかない場所を狙った犯罪を防止できる可能性が高いです。
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空き家のアート展示による活用事例

国内においても、空き家を活用したアート展示のイベントはおこなわれています。
廃校や古民家なども活用しつつ、イベントの時期だけでなく、1年中何らかのアートを鑑賞できるようにしている施設もあります。
香川県の家プロジェクト
国内におけるイベント事例のひとつは、香川県香川郡直島町の「家プロジェクト」です。
空き家などの建物を改修することにより、空間そのものをアート作品として活用しています。
地区内にはアート展示がおこなわれている空き家が点在し、散策することによって地域の方と観光に来た方が交流を図れます。
エリア内にある宿泊施設や銭湯など、空き家以外もアートを楽しめる会場です。
単純にアート作品を楽しむだけでなく、島の歴史や空き家の活用方法について、訪れた方に知ってもらえるようにしている事例です。
新潟県の大地の芸術祭
国内における空き家を利用したアートイベントの事例には、新潟県十日町市と津南町の越後妻有地域における「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」があります。
エリア内には約200作品のアートが点在しており、さまざまな建物を再生するプロジェクトがおこなわれている事例です。
廃校や空き家などを作品として再生する取り組みが目玉となっており、廃墟同然の古民家を時間をかけて再生してアート作品にしているところもあります。
イベントの期間以外には一部の空き家が宿泊施設として貸し出されており、アートのなかで宿泊してさまざまな体験ができるのが特徴です。
兵庫県の下町芸術祭
空き家を活用したアートイベント事例のひとつには、兵庫県神戸市における「下町芸術祭」が挙げられます。
神戸市のなかでもとくに空き家が多い長田区や兵庫区を舞台に、さまざまな展示がおこなわれています。
長田区は歴史ある住宅や商店街など、魅力ある建物が今でも多く残っているエリアです。
芸術祭の開催期間中は、空き家や古民家を有効活用したアートを鑑賞できます。
さらに、リノベーションをおこなった施設でイベントを開催するなどの取り組みがおこなわれています。
写真展示、各種ワークショップ、街歩きなど、イベント全体を楽しむためのさまざまなコンテンツが揃っている芸術祭です。
こうしたイベントによって、空き家がある地域でも観光客を呼び込んで地域の活性化を図っています。
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海外における空き家をアートの展示会場として利用する試み

空き家をアートの展示会場として利用する試みは、国内だけでなく海外でもおこなわれています。
地方における空き家の増加が問題になっているのは、日本だけではありません。
海外でも、増加する空き家を有効活用して地域の活性化につなげようとする動きがあります。
ドイツでの事例
海外での事例として著名なのは、旧東ドイツのザクセン州にあるライプツィヒでの例です。
ライプツィヒは、もともと産業都市として首都ベルリンに次ぐ人口を抱えていた都市でした。
1930年代には、ライプツィヒの人口は70万人にまで増加していたとされています。
しかし、第二次世界大戦によって東ドイツに組み込まれて以降産業が衰退し、1989年にベルリンの壁が崩壊してからは人口の多くが西側に流出しました。
これにより、ライプツィヒ全体での空き家率は20%、一部地域では50%にものぼり、深刻な社会問題が発生しました。
空き家の多くはライプツィヒが東ドイツに組み込まれていた頃からメンテナンスがされずに放置されており、外観だけでなく内部のインフラも劣化が進んでいたのです。
人口の流出と産業の空洞化、不動産市場の崩壊などが重なり、ライプツィヒは海外における縮小都市の代表例となりました。
歴史的価値のある建物の活用
ライプツィヒでは、街の歴史を保存するためにハウスハルテンと呼ばれる市民団体を設立し、築100年を超える歴史的価値の高い建物の保存とリノベーションを推進しています。
物件に住みながら最低限のメンテナンスをおこなうことを条件に入居者を募ったところ、若年層やアーティストを中心とする人口が増えたのです。
これにより2000年代から徐々に人口が増加しており、歴史と芸術の街として発展しながら新たな価値を生み出し続けています。
ほかの都市での参考にもなっている
ライプツィヒで実施されていた住宅の最低限のメンテナンスを住人に任せるセルフリノベーションのスタイルは、海外などのほかの都市での空き家再生プロジェクトにも活用されています。
たとえば、旧東ドイツ領内であればケムニッツ、ハレ、ゲルリッツ、ツビカウなどで同様の市民団体が設立され、空き家問題の解消と人口の増加に取り組んでいるのが特徴です。
空き家を1つの資源ととらえ、改装を可能にし、原状回復を不要にすることによって、アーティストによる需要を呼び込み若者による宣伝効果を発揮しています。
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まとめ
国内や海外で深刻な社会問題になっている空き家の増加ですが、アートの展示会場としての活用により地域貢献につなげられる可能性があります。
日本国内でも定期的に開催されているイベントがあるほか、海外では都市が丸ごとアーティスト需要の高い物件となっている事例もあります。
空き家をうまく活用すれば、イベントやアート展示の会場として、または新たな自己実現の場として使えるかもしれません。
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KYODOハウジング メディア編集部
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