不動産の売却にあたって売値を決めたり、損益を計算したりする際、簿価と呼ばれる数値がよく登場します。
しっかりと押さえていたほうが何かとスムーズに諸手続きを進められるため、この簿価とはなにか、売却にあたってどのように活用するのか、こちらで紹介します。
不動産の売却にあたって押さえたい!簿価とは何?時価とはどう違う?
あくまで帳簿上に記された価格であり、不動産では購入時に支払った金額を意味するものです。
たとえば5億円で取得したものは5億円など、購入時の支払い金額がそのまま簿価として記録され、その不動産の価値が変動してもそのまま使用されます。
ただし、建物の場合は築年数に応じて価値が減少するため、それを考慮した減価償却を簿価でもおこない、一定の規則にしたがって減額されていきます。
これに対して時価とは、そのときどきの景気状況に応じて決まる変動的な数値であり、購入時の価格とは必ずしも一致しません。
簿価に比べて著しく高騰・下落することもありえますが、規則的とはいえない景気状況に応じて決まるため、予測は難しい数値です。
その物件の現状に見合った価格と判断されるため、売値を決める際の参考にもよく使われます。
簿価と時価とは以上のようなもので、決まり方もまったく異なります。
不動産の売却時に知っておきたい簿価の3つの活用方法
物件を売り出すタイミングを決めるのが1つ目の活用方法で、時価が簿価を上回ったときが有利とされます。
売値に反映されやすい時価が簿価を上回るのは、その物件が購入時の価格よりも高く売れることを意味し、売り手にとって都合が良いのです。
2つ目の活用方法とは売値の根拠にすることであり、簿価も適正価格をつけるために役立つのです。
たとえば5億円で購入した建物を売る際、減価償却費など損耗分の価格をしっかりと差し引けば、現状に比較的見合う売値にできます。
買い手が納得する値段なら売買の話がスムーズにまとまるほか、値引きを依頼された際にも合理的な交渉ができ、希望価格での売却を成功させやすいのです。
3つ目の活用方法とは売却損益の計算であり、簿価や諸経費を売値から差し引き、利益を得たのかどうかをできる限り正確に判断します。
簿価が不明な場合は売却金額の5%の金額で計算することも可能ですが、それでは売却益が通常より増加して課税を受けやすく、売り手にとっては不利です。
適正な簿価を把握していると課税をできる限り抑えられ、利益をしっかりと確保できるのです。
まとめ
不動産を所有している時点では簿価や時価を意識する機会はあまりないものですが、売却にあたってはしばしば使用します。
適正な価格で売ったり、必要最低限の課税に抑えたりするためにも、売却にあたって簿価をぜひ確かめてみてください。
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