京都には「京町家」と呼ばれる独特の建物があり、京町家が立ち並ぶ街並みは日本の古き良き時代を感じさせてくれます。
今回は京町家の特徴や構造、伝統的特徴などを中心にまとめていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
京町家の構造や特徴とは?
京都の風情が漂う京町家ですが、意外にも統一された正確な定義は存在しません。
ですが、一般的な「京町家の定義」がありますので、それをまとめてみましょう。
・京町家の敷地の形は「ウナギの寝床」と呼ばれる間口が狭く奥行が深い形状
・往来に面して格子が設置されている
以上のような特徴をもつ、昭和25年以前に建築された古い木造住宅を「京町家」と呼んでいます。
京都は「酷暑・酷寒」と呼ばれる過酷な土地ですが、夏はその細長い構造を利用して表と裏の戸を開けて風を家の中に通す仕組みにしています。
中間に中庭を配置することで、通りと中庭の間に温度差による風の流れがうまれ、涼を得ることができるのです。
表に暖簾をかけたり格子戸を設置するなどしてプライバシーを守り、犬矢来で家の壁を守り盗賊侵入防止を実現するなど随所にさまざまな工夫が見られます。
京町家は、京都の気候や風土に合った構造や特徴をもっているのです。
京町家の伝統的構法とは?
京町家の内部構造は「伝統的軸組(じくぐみ)構造」で、日本古来の伝統的構法です。
現在では伝統的軸組構造を簡略化した「在来工法」で住宅が建築されることも多く、日本人の生活スタイルに合っていることがわかります。
この伝統的軸組構造は、主に柱や梁といった軸組(線材)で家全体を支える構造で設計の自由度が高いのが特徴です。
京町家の場合は柱や梁など本来住宅の構造として使われる部材が内部空間にも露出しており、化粧材としての役割を果たしています。
柱や土台は石の上にのっているだけで固定されていないため「地震が来たら倒壊するのでは?」と心配になってしまいますが、基礎部分は震動をしなやかに受けとめる免震構造となっており地震が来ても安全です。
京町家はかなり古い家ばかりですが、これは裏返せば京都で起きた大地震で倒壊することなく現在までしっかり残っていることになりますね。
京町家は古い建物だからといって「災害ですぐに被災する」建物ではなく、実は長く住める先人の知恵が詰まった住宅なのです。
まとめ
京町家の構造や特徴などについてご紹介しました。
風情があって美しい京町家ですが、見た目の美しさだけではなく実用性や快適性も兼ね備えた住みやすい住宅なのです。
老朽化が激しくリノベーションができない京町家は、建物を町家風に新築し周囲の景観を損なわないように配慮されています。
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