京町家は、情緒あふれる京都市の街並みの顔とも言うべき古民家です。
年々減少していくこの京町家を守るため、京都市が策定した京町家条例をご紹介します。
京町家条例の概要と条例に該当する京都市の古民家(京町家)の定義
京町家条例は、京都市に多く見られる古民家(京町家)の減少を食い止めて保全・次世代へ継承していくために市が策定した条例です。
京町家条例では、所有者はもちろん京都市・不動産会社・解体業者など京町家に関わるすべての人が古民家の保全・継承のために配慮することを求められます。
京町家の定義は他地域の古民家の定義とは異なり、以下の条件をすべて満たす必要があります。
・昭和25年(1950年)以前に建てられた木造の3階以下の戸建て、もしくは長屋である
・京町家の伝統様式である平入りの屋根(家の入り口と並行している屋根の棟)を有する
・京町家の特徴とされる形態・意匠(通り庭、火袋、坪庭、奥庭、格子など)を1種類以上有する
市はこれらの定義を満たす古民家を京町家条例の対象建築物と見なし、保全・継承につとめることを求めています。
京町家条例に該当する京都市の古民家(京町家)解体時の注意点
京町家は保全・継承すべき文化遺産ではありますが、築70年以上の古民家でもあります。
そのため、京町家を所有している人は維持・改修費や相続税の負担などについて不安を抱えることも少なくないでしょう。
人に貸したくても、歴史ある建物であることがあだになって相手を見つけることが難しいかもしれません。
いっそ売却するか解体して別の建物を建ててしまいたい、などと考えるのも無理もないかもしれませんが、京町家を解体する場合は以下の注意点を守る必要があります。
京町家条例で趣のある街並みとして指定された地域にある古民家、または物件そのものが趣のある京町家として認められている古民家を解体する場合、解体開始日の1年前までに京都市に届け出る必要があります。
また、届け出から1年未満で取り壊す場合はさらに手続きが増えることも大きな注意点です。
届け出を受けた京都市は、事業者団体などと連携してさまざまな支援制度や古民家の活用事例の提示、古民家の活用を希望する人達との橋渡しをおこないます。
解体まで考えていないが京町家の維持が難しいと感じた場合も同じような支援を受けられるため、すぐに京都市へ相談しましょう。
まとめ
京都市の歴史ある街並みを守るための、京町家条例。
京町家はただ古いだけの古民家とは異なり、京都らしい文化と歴史の集大成でもあります。
所有している古民家が京町家条例の定義に当てはまる場合は、京都市へ届け出てしかるべき協議をおこなうとともに支援を受けましょう。
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