ご自身にもしものことがあった時、その後の不動産管理を家族に任せられる家族信託。
ただ、信託後でも財産状況や生活環境などの変化により、契約内容を変更したいと思うこともあるでしょう。
今回は、家族信託を行った後に契約内容を変更する場合についてご紹介します。
家族信託の内容を変更したい時の流れ
一度取り決めた信託内容を変える場合、そこに変更に関するルールが記載されていれば、そのルールが優先されます。
一方、信託契約に変更に関するルールの記載がない場合は、信託法419条に則って手続きを進めます。
なお家族信託は、不動産所有者である「委託者」、不動産の管理を行う「受託者」、利益を受けたり受託者を監督する「受益者」の三者によって成り立ちます。
法律に従って信託内容を変える場合は、この三者の合意がなければできません。
三者の合意がなくても家族信託の内容を変更できるケース
家族信託の変更を行う際、三者の合意まで時間がかかる場合があります。
そのため以下の条件に該当する時は、三者全員の合意がなくても家族信託の内容を変えることができます。
・信託の目的に反しないことが明らかな時…受託者と受益者の合意があれば可
・信託の目的に反しないことが明らかで、受益者の利益に適合する時…受託者の書面や電磁記録による意思表示と、委託者・受益者への通知があれば可
・受託者の利益を害しないことが明らかな時…委託者と受益者が、受託者へ意思表示を行なえば可
・受託者の利害を害せず、信託の目的に反しないことが明らかな時…受益者から受託者への意思表示と委託者への通知があれば可
少しややこしいかもしれませんが、要は誰か1人または2人が損をしたり不利益を被ったりするような内容でなければ、三者全員の合意がなくてもOKということです。
家族信託を変更する際の注意点
家族信託の契約内容を変更する際には、三者全員の合意を得るまでに時間がかかること以外にも、注意するべき点があります。
たとえば、三者のうちの誰かが認知症などで意思の疎通ができなくなったり、事故や病気で死亡するなど、三者の合意が得られない状況になるかもしれません。
家族信託を契約する際は、そのような事態になっても内容変更の手続きがスムーズに進められるように、三者全員の合意がなくても変更を認めるなどのルールを明記しておきましょう。
まとめ
家族信託の内容は柔軟に取り決めることができますが、あまりにも簡単に変えてしまうと、委託者の本来の目的から大きく外れてしまうかもしれません。
家族信託を契約する時、そして信託内容を変更する場合は、慎重に決めましょう。
京都市山科区で不動産の家族信託に関してご相談されたい方は、KYODOハウジングまでぜひお問い合わせください。