親亡き後は、実家に住まずに売却を考えているならば、遺品の整理が必要です。
しかし当の持ち主が亡くなったあとでは、手元に遺しておくべきものと処分していいものの仕分けに大変な労力がいります。
そこで進めておきたいのが「生前整理」です。
将来の実家売却に備え、しておくべき事前準備のポイントを解説します。
実家売却に備えるべき理由
実の親子であっても、両親が大切にしているもの全てを把握できるわけではありません。
だからこそ、死後も形見として遺しておいて欲しいもの、棺に入れたい愛用品などは本人の意向を把握しておくことがベストです。
また預貯金や金品類は相続税の対象となるため、どこにどれだけあるのかを知っておかないと後々トラブルに繋がります。
そして実家にどのような家財があるのかを事前にチェックできれば、いざ不用品を処分する際の業者選定もスムーズになります。
実家売却について話し合うポイント
自分が死んだ時の話し合いなど縁起でもないと考える方は、決して少なくありません。
死が身近な高齢になるほどその傾向は強まりますので、なるべく両親が心身ともに健康な内に生前整理を提案しておきたいです。
そこで、以下のようなポイントに留意しながら話し合いを進めましょう。
・家財を「守るため」の準備であることを伝える
第三者にとっては大した品物でなくても、本人にとっては思い出の品であることがあります。
生前整理は要らないものの仕分けではなく、次世代に継承したいものの保存行為である旨を理解してもらいましょう。
そこで話し合いの場面では、特に大切にしている品や、人に譲りたいと考えているものは何かを聞き出しておきたいです。
古いアルバムや日記帳からもヒントが得られますので、それらを使い思い出を振り返りながら選定すると、両親の本音も引き出しやすくなるでしょう。
・大事なものの保管場所を決めてもらう
近くに住んで入れば、一緒に整理する時間が取れます。
しかし遠方に住んでいたり仕事があれば、サポートを頻繁には行えませんから両親だけで生前整理を進めてもらう必要が生じます。
そんな場合は、エンディングノートに保管場所を記しておいたり、バラバラに保管されている大切なものを決まった場所に移動しておいてもらいましょう。
例えばタンスの奥や天井裏のような、人目につきにくい場所にしまわれたままだと、万が一の時に見つけられない可能性があるためです。
あくまでも、大切なものを紛失しないための準備であると伝えることがポイントです。
・大事なもの以外の取り扱い方法
本人にとってはあまり思い入れがない品でも、市場価値は高い品物があります。
そういったものは捨てずに売却し、なるべく換金しておきたいですね。
そんなとき生前整理が完了し愛用品は除かれていることが明確なら、遺品整理業者へ委託してしまっても遺族の精神的負担は軽く済みます。
さらに本人の意向を踏まえて整理したあとなら、全体の荷物量は減っているはずですから処分費用も節約できます。
実家売却の際に起こりやすいトラブル
不動産を売却するには、各種権利書などの必要書類を揃えなければなりません。
これらがないと物件が引き渡せないなどのトラブルになります。
しかし何十年も前に購入された物件なら、実家のどこに保管されているか分からないといったトラブルが起こりがちです。
遺産分割時の手続きにも影響を及ぼしますので、印鑑や重要書類は保管場所を聞き出すだけに留めず、現物確認しておくと安心です。
まとめ
実家を売却する前に両親としておきたい、生前整理や話し合いのポイントを紹介しました。
昨今では「終活」が広く認知されていますので、両親も自身の葬儀やお墓のことなら考えているかもしれません。
しかし今現在住んでいる家や、日常的に使っている物の整理を自発的に行うことは心理的ハードルが高いです。
そこで子ども側から話し合いの場をもうけ、生きた証を残すための前向きな行為であることを知ってもらい、将来の実家売却に備えましょう。
今後、実家の売却など検討されている方は、ぜひKYODOハウジングまでお気軽にお問い合わせください。