競売とは、住宅ローンの返済が困難になった場合に裁判所を通じて不動産が強制的に売却される制度です。
売主の意思に関係なく進み、市場価格より低い売却額となりやすいことが特徴です。
本記事では、競売の基本的な仕組みやデメリット、手続きの流れを中心に解説します。
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不動産売却における競売とはなにか
不動産の売却を検討されている方の中には、「競売」や「任意売却」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
これらは住宅ローンの返済が困難になった際に取られる手段であり、その違いや特徴を正しく理解することが重要です。
まずは、競売と任意売却の違いについて解説します。
裁判所の権力
競売は、債務者の返済滞納により債権者が裁判所に申し立てをおこない、強制的に不動産を売却する手続きです。
債務者の意思は考慮されず、一方的に進行してしまう点が特徴だといえます。
また、市場価格の5割から7割程度で落札されることが多く、売却後もローン残債が残る可能性が高いです。
さらに、競売情報は公的機関のサイトや官報などで公開されるため、周囲に経済的な問題が知られるリスクが伴います。
競売は裁判所の手続き上、個人の事情による救済措置がほぼ認められないため、資金面の猶予や生活再建策を自力で見出しにくいという背景もあります。
とくに、経済的な困窮が続くと滞納期間が長くなり、競売に至るスピードも早まる場合が少なくありません。
このように競売は法的拘束力が強く、当事者が柔軟に交渉しにくい面があります。
任意売却
任意売却とは、債権者との協議を経て、市場で不動産を売却する方法です。
債務者の希望を尊重しながら、売却価格や引き渡し時期を柔軟に調整できるため、競売よりも高値で売却できる可能性が高まります。
費用や引っ越し資金を売却代金から確保できる場合もあり、プライバシーも守られやすいです。
任意売却をおこなう際は、購入希望者から十分な信頼を得られるように、詳細な物件情報やローン状況を正直に開示することが大切です。
売主と買主の双方が納得できる価格設定を話し合うことで、結果的に売却がスムーズに進み、債務者としても返済計画を立てやすくなります。
また、売却後に住居をより確保でき、一層生活を安定させたい場合に利点があります。
ローン返済
競売では売却額が低いため、多額の残債を一括返済しなければならないことが多く、経済的な負担となります。
一方、任意売却では債権者と相談して、分割払いなどの返済方法を取り決めることが可能です。
ただし、任意売却を実施するためには債権者全員の同意が必要で、交渉が難航したり、成立しない場合は競売に移行するリスクもあります。
競売の場合、物件売却額がローン残高を大きく下回ると、残債を長期にわたって返済しなければならない可能性が高いです。
一括返済の請求が来た際に対応できない場合、金利や手数料がかさんで返済総額が増加するリスクも考えられます。
一方、任意売却は並行して交渉がおこなわれるため、返済額の調整や負担軽減が期待でき、生活再建しやすい点が特徴です。
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競売になった際のデメリットについて
不動産の競売は、住宅ローンの返済が滞った際に強制的に売却される手続きですが、さまざまなデメリットがあります。
この章では、競売になった場合の主なリスクについて解説します。
売却価格
前章でも解説したように、競売にかけられた不動産は市場価格よりも低い価格で落札されることが多く、所有者に大きな経済的損失をもたらしやすいです。
内覧ができない場合も多く、物件の状態が不明なため、買い手が入札額を低めに設定する傾向があります。
さらに、手続きの長期化により物件価値が下がる可能性もあるため、結果として残債を多く抱えるリスクが高まります。
競売の落札額が下がりやすい理由としては、買い手が修繕費や再販売時のコストを予測しにくいためです。
入札前に十分な調査がおこなわれないと、物件に不具合があった場合に想定外の費用がかかるため、購入を検討する人はより安全策として低めの価格で入札するのです。
プライバシー侵害
競売手続きが始まると、物件情報が裁判所やインターネット上で公開されるため、所有者の経済的問題が周囲に知られる懸念があります。
物件の周辺で、調査や写真撮影がおこなわれることもあり、このような状況は精神的負担となり得ます。
さらに、近隣住民や知人に競売情報が伝わりやすい環境にあると、引越し後も人間関係や信用に影響が出るケースも少なくありません。
こうしたプライバシー面での不安が、競売による売却に踏み切りにくい理由として挙げられます。
立ち退き
競売で落札されると、新たな所有者に物件を引き渡さなければなりません。
元の所有者が居住していた場合は、引越しの準備や新居の確保を短期間でおこなう必要があり、費用面の支援がないケースが大半です。
立ち退きを拒否すれば強制執行につながる可能性があり、生活再建に大きな支障をきたす恐れがあります。
強制的な立ち退き手続きは、家庭内の混乱や子どもの転校などにも直結するため、精神的ストレスが一段と増大します。
また、引越し費用の目途が立たないまま退去を迫られる事態も珍しくなく、その後の住環境が不安定になるケースも考えられるでしょう。
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競売になった際の流れについて
競売の手続きは段階的に進行し、各段階での対応を把握しておくことが大切です。
ここでは、売主の視点から主な流れを紹介します。
督促状
返済が1か月以上遅れると、金融機関から督促状が届きます。
支払いを促す内容であり、この時点で返済計画の見直しなどをおこなうことで競売を回避できる可能性があります。
無視を続けると法的手続きに進むリスクが高まるため、早期に対応しなければなりません。
金融機関としても返済意欲があるかどうかを注視しているため、この初期段階で話し合いを開始することで、任意売却などより柔軟な方法を模索できる余地が残ることも少なくありません。
代位弁済通知
滞納が約6か月続くと、債務者は期限の利益を喪失し、保証会社がローン残債を一括返済します。
その後、債務者に代位弁済通知書が届き、保証会社に一括返済する義務が生じます。
返済がおこなわれない場合、保証会社は競売を申し立てるのです。
保証会社としても、回収不能リスクを抑えるために迅速に動く傾向があります。
このタイミングでの交渉余地は限られますが、もし他の債権者もいる場合は合意形成が難しくなるため、早期の意思表示や専門家への相談が重要になります。
競売開始決定通知
競売開始決定通知を受け取ると、裁判所による物件の現況調査がおこなわれ、物件情報は公開されます。
入札が実施され、開札日に落札者が決まると、売主は退去を余儀なくされます。
引越し費用や新居確保の負担も大きいため、任意売却や専門家への相談など、早期の対策が大切です。
競売手続きが本格化すると、物件の引渡し時期は裁判所が決定し、売主の事情はほぼ考慮されません。
周辺調査や開札情報の公表によって、プライバシーの保護が困難になりやすいため、精神的負担も大きくなります。
こうした観点からも、競売開始決定通知が届く前に行動を起こすことが、売主にとっては重要な選択肢となります。
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まとめ
競売は市場価格より低い売却額になりやすく、情報公開によるプライバシーリスクも大きい手続きです。
任意売却に比べて売主の希望が反映しにくく、経済的・精神的な負担が増す可能性があります。
そのため、早期に専門家へ相談し、適切な売却方法を検討することが大切です。
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KYODOハウジング メディア 担当ライター
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