今回は、住宅ローン返済が滞ってしまっているという状態になった場合、使える手段のひとつ「任意売却」についてご紹介します。
住宅ローン返済が滞った場合にとられる最終手段として「競売」がありますが、その競売と比べると任意売却はどんなメリットがあるのか、この機会に理解しておきましょう。
任意売却のメリット①住宅ローン滞納を知られずに済む
任意売却の大きなメリットとしてまず挙げられるのは、住宅ローン滞納が理由で家を手放すことを、周囲の方に知られずに済むということです。
任意売却であっても、売却活動自体はごく一般的な不動産売却活動と同様であるため、物件広告が出てもあくまでそれはただの中古物件の販売情報であり、周りに違和感を持たれることがないのです。
これに対して競売にかけられた場合は、競売物件の情報が新聞やインターネット広告などで広く告知されてしまいます。
さらに、競売に入札する予定の方が、近隣住民にわざわざ聞き込みなどをすることもあることから、競売にかけられた場合には、住宅ローン滞納が理由で家を手放すという事実が周囲に知られてしまうリスクはかなり高いのです。
任意売却のメリット②市場相場に近い価格で売れる
任意売却の大きなメリットとしてはもうひとつ挙げられ、それは市場相場に近い価格での売却が可能であるということです。
前述のとおり、任意売却の売却活動の内容自体は一般的な不動産売却活動と同様ですから、ごく普通に売り出すことが可能です。
ただし、任意売却ができる期間は限られているため、期間内に売却できるようにとの思いで市場相場より少し安い価格で売却することもありますが、それでも競売の落札価格に比べれば高めです。
市場相場に近い、高い価格で売却できればその分残債も少なく、しかもその残債は無理のない範囲で分割返済することができるのも任意売却の魅力です。
これが競売だと、安い価格で落札されて残債が多額となり、しかもその残債は分割返済が認められず一括返済を求められます。
残債を一括返済できるお金は用立てすることはできないので、最終的には自己破産するしかありません。
任意売却はこの半強制的な自己破産を回避できるという点においても、メリットが大きいと言える