全国に年々増えている空き家問題ですが、この問題を解消するために政府は「空き家の譲渡所得税に対して3,000万円の特別控除」をもうけることを決めました。
これから空き家を売却しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
空き家の譲渡所得税3,000万円の特別控除が受けられる要件とは
空き家の譲渡所得税は、空き家を相続した方にとって頭の痛い問題です。
誰も住まなくなった空き家を売却したくても、売却益に高額な税金が課税されるのは避けたいもの。
ところがある一定条件をクリアすると、空き家の譲渡所得税が軽減される「特別控除」が適用されるようになりました。
では、その条件をチェックしてみましょう。
1.昭和56年5月31日以前に建てられた戸建て住宅であること
2.相続時から売却時まで、事業や貸付、居住として使われていなかったこと(ずっと空き家であったこと)
3.相続が発生してから3年以内に、相続人が売却すること
4.譲渡対価の額の合計額が1億円以下であること(売却額が1億円以下であること)
5.親族関係以外の第三者に対して売却すること
6.相続人が空き家を耐震リフォームする、または更地にして売却すること
7.相続開始直前まで被相続人(相続される人、亡くなった故人が一般的)が一人で居住していたものであること
分かりやすくまとめてみましたが、いろいろと細かいルールがあるようです。
これら項目にすべて当てはまっているかどうかを精査するには、不動産や法律の知識のない方では時間がかかるかもしれません。
「相続が発生してから3年以内に、相続人が売却すること」という項目があるため、空き家を10年、20年と放置すると特別控除は受けられません。
特別控除を受けて空き家を売却する意思があるなら、早めに動きだす必要があります。
空き家の売却益(対価)を得るため空き家取り壊しを選ぶ方が多い
空き家を売却し対価を得るためには「空き家に対して耐震リフォームをほどこす」か「更地にする」、2つのうちどちらかの方法を採用しなければなりません。
昭和56年6月1日に現在の新耐震基準が施行され、この日以降新しい建築基準条件をクリアしなければ、新規建築物は造れないことになりました。
空き家3,000万円の特別控除を受けるには「昭和56年5月1日以前に建築された戸建て住宅であること」と決められており、すべての建築物が旧耐震基準で建築されていることになります。
今の建築基準に合わせるために耐震性をアップさせないと、特別控除が受けられません。
ところが耐震補強のリフォームをおこなうためには、1,000万円前後の多額の費用がかかります。
そのため手っ取り早く更地にして売却するのが経済的なため、空き家を取り壊すケースが多いのです。
まとめ
空き家はそのまま放置すると、自然倒壊・周辺環境悪化・犯罪の温床化などさまざまな弊害が発生します。
そのため空き家を相続した日から3年以内に1億円以下で売却など、さまざまな条件をクリアすることで3,000万円の特別控除が受けられる制度が制定されました。
空き家を放置するよりも耐震補強をほどこす、または更地にして売却するほうが経済的負担が軽くなるかもしれません。
これから空き家を相続される方は、ぜひ参考にしてみてください。
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