親族が亡くなった際に、遺産の相続問題が顕在化していきますが、そんな遺産相続方法にもいくつかの種類があります。
今回は、財産のすべてを受ける単純承認や財産のすべてを拒否する相続放棄でもない、「限定承認」という相続の方法について、そのメリットやデメリットをまとめていきます。
我が家を残す手段としての相続である限定承認 メリットはリスクの軽減
故人が残す遺産にも、いわゆる負の遺産といわれる借金が存在しますが、そのような負の遺産を好んで相続する人はいないでしょう。
では故人に借金があることも、不動産などの財産があることも知っている場合に、資産と負債を相殺して最終的にプラスになるかどうかはっきりしない場合は、どうしたらよいでしょう。
こんな状況下で活用すべきなのが、「限定承認」です。
ここでいう「限定」についての意味合いは、「プラスの資産の範囲に限定する」という意味で、限定承認を選択する大きなメリットといえるでしょう。
また、自分の家を守ることができるのも、限定承認のメリットです。
相続放棄であれば、家も放棄の対象となりますが、限定承認では不動産相当額の借金を弁済することで、不動産を残すことも可能となるのです。
我が家を残す手段としての相続である限定承認 手続きにデメリットあり
最初に挙げるべきは、相続人のうち1人でも反対するものがいれば限定承認を行うことができないことでししょう。
また、限定承認によって発生する譲渡所得税を支払う必要があり、準確定申告を行う必要性があることや、債務精算の手続きに手間がかかることもデメリットです。
さらには、限定承認をすると、相続税の節税に効果を発揮する小規模宅地等の特例を受けることができなくなります。
これは、故人と一緒に住んでいた配偶者などに対し、その土地(要件あり)を相続する場合の評価額を80%も減額する特例です。
この特例の効果が非常に高く、特例のためにあえて単純承認として、土地を相続税無しで相続を受け、マイナスの財産は別個に引き継いで返済した方が、結果的に節税効果が高くなる可能性もあるとのことです。
まとめ
相続の方法としての「限定承認」は、資産の範囲内で負債を受け持つ方法であり、資産の全体像を把握していない方にとっては、負債を抱えるリスクを最小限とするもので、我が家を残すことができる手段としても利用可能です。
しかし、手続きが面倒であることに加え、相続人全員の承認が必要であること、一時的に譲渡税を支払う必要性があること、相続税の特例を受けることができないなど、デメリットも存在することには注意が必要です。
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