土地を売却する際、境界確定のための測量や権利関係、地目、用途地域、地形などさまざまな面から調べます。
その一つに、土壌汚染の調査があります。
とはいっても、すべての取引で土壌が汚染されているかどうか調べる必要はあるのでしょうか。
土地の売却時に土壌汚染調査は必要なのか?
土地を売却する際、長く宅地として利用されてきた敷地は土壌汚染の可能性が低いとみなし、汚染されているかどうかが調べられることはあまりありません。
ではどのような土地で土壌汚染調査を行うかと言うと、汚染の可能性が高いところです。
過去に工場やクリーニング施設、焼却施設、病院、ガソリンスタンドなどがあった土地です。
工場などで使われた有害物質により、土壌が汚染されている可能性があると考えられるからです。
特に工場跡地の再開発などが行われる際に、汚染の問題が指摘されることが増え2003年2月に、土壌汚染対策法が施行されました。
土地の所有者は、土壌汚染状況を調べなければならないと定められた法律です。
土壌汚染調査とは?土地売却時
では土壌汚染調査とはどのようなことを調べるのでしょうか。
大きく分けて3つあり、1つは古地図や地質図、航空写真、登記簿などをあたり、これまでの土地の経緯を調べて土壌が汚染されているか探ります。
2つ目は、土地の表面を削り、土壌ガスや重金属などが含まれているかどうかを調べます。
この結果より詳細な調査が必要になった場合は、3つ目のボーリングや地下水を調べることになります。
その土壌を一定の深さまで調べることで、詳細なデータを手に入れ、土壌汚染があるかどうかを調べます。
土壌汚染があった場合は、どんな浄化方法があり、どの程度浄化時間がかかるかなどの検討ができるようになります。
売却した土地に土壌汚染があったら?
もし既に取引が完了した土地に汚染が確認された場合、もし売主が知らなかったことでも瑕疵担保責任に問われる可能性があります。
売主にその汚染の原因がなくても、所有者である以上、売却時に責任を負うことになるからです。
汚染の原因は、工場などの産業活動だけが原因ではありません。
原因の一つとして、もともと土壌に含まれている物質が原因の場合が考えられます。
他にも空襲の焼夷弾や古い水道管に含まれる鉛など歴史が原因の場合、さらに盛土に用いた土が汚染されていたという場合なども考えられます。
瑕疵担保責任については、土壌汚染以外にも問題になることが多いです。
売却後の問題発生を減らすためにも、重要事項説明書には分かっていることはすべて記載しましょう。
土壌汚染の調査の有無や、その結果や現状も記載し、取引を行う際に買主と共有します。
まとめ
土地売却時の土壌汚染調査は、土地の売却時に義務付けられているものではありません。
しかし事前に行っておくと、買主にとって安心材料にもなりそうです。
もし気になる場合は、まず不動産会社に相談するなどしてみることをお勧めします。