専業主婦(主夫)が不動産を売却したとき、不動産収入によって扶養から外れてしまうのでしょうか。
扶養から外れると、専業主婦(主夫)は所得税および住民税の支払いが発生し、扶養者は配偶者控除及び配偶者特別控除が受けられなくなるので、税金が増加します。
不動産を売却して年間の所得金額が38万円以下であれば配偶者特別控除の枠内であるので扶養を外れなくてもよく、38万円を超えた場合には、扶養から外れることになります。
不動産売却によって配偶者特別控除枠内となる場合がほとんど
不動産売却による所得が配偶者特別控除枠内である38万円を越えることはほとんど発生しません。
38万円いうと小さい額のように感じるかもしれませんが、不動産売却でどの程度の所得となるかシミュレーションしてみましょう。
不動産売却による所得金額のシミュレーション
(公式:減価償却費・建物取得費・取得費・譲渡所得の算出)
減価償却費=建物価格×0.9×償却費(木造の場合0.031)×経過年数
建物取得費=建物価格 - 減価償却費
取得費=土地価格 + 建物取得費
譲渡所得=譲渡価格 - 取得費 - 譲渡費用
取得費:購入時の仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、印紙税など
譲渡費用:売却に要した仲介手数料、測量費、印紙税など
購入価格4500万円(建物3000万円、土地1500万円)、売却金額3000万円、築20年とした場合、公式に代入して計算してみると、
減価償却費=建物価格×0.9×0.031(木造)×経過年数=3000×0.9×0.031×20=1674万円
建物取得費=建物価格-減価償却費=3000-1674=1326万円
取得費=土地価格+建物取得費=1500+1326=2826万円
譲渡所得=譲渡価格-取得費-譲渡費用=2900-2826-66(仲介手数料)=8万円(<38万円)
譲渡所得8万円が不動産を売却したときの所得となります。
譲渡所得が38万円を越えていないので、配偶者特別控除内となりますので、扶養から外れる必要はありません。
なお、譲渡取得により扶養から外れても、翌年には扶養に戻ることができます。
取得費は購入時の仲介手数料や不動産取得税、印紙税や登録免許税を含めて計算できます。
取得費が分からないと上記と費用が高くなってしまいますので、事前に契約書などが残っているかどうか確認しましょう。
譲渡費用には、売却の際の仲介手数料や売却の際の広告費、売却時の必要となる測量料や売買契約書に貼る付ける印紙税、売却に伴う立退料や建物の取り壊し費用なども譲渡費用として認められます。
これらの費用をもれなく合算することで、譲渡所得を減額することが出来ます。
まとめ
専業主婦(主夫)が不動産を売却して譲渡所得が38万円以内であれば、配偶者特別控除の範囲内ですので、扶養から外れません。
譲渡所得が38万円を越える場合には扶養から外れます。
譲渡所得は不動産売却価格ではないので注意が必要です。
譲渡所得が38万円を越えて扶養を外れても、翌年扶養に戻ることができます。
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