親の不動産を兄弟が相続することになった場合、不動産の売却には兄弟全員の承諾が必要です。
近年は相続年齢も高齢化しており、共有者が認知症や病気を患っていて不動産を売却できないケースも増えてきています。
今回は、不動産の塩漬けを防ぐ「家族信託」をご紹介します。
共有不動産トラブルを防ぐ家族信託1 家族信託
①家族信託のメリット
家族信託とは、「財産をもつ人が財産の管理・処分を信頼できる家族に託す仕組み」です。
家族信託をすれば、「財産をもつ親が元気なうちは親が財産を管理・処分し、認知症の発症などがあれば親が指定した家族が財産を管理・処分する」ということができるようになります。
また、通常の遺言は「自分が亡くなったら息子に相続させる」というように次の代までしか指定できませんが、家族信託なら「自分の次は息子、息子の次は特定の団体」というように2次相続以降も指定できますよ。
②家族信託のデリット
家族信託は便利な制度ですが、財産の管理・処分を託された家族と、そのほかの家族でトラブルになる可能性があります。
家族信託をする場合は家族会議を開き、「誰に財産の管理・処分を託すか」について家族全員で話しあって決めたほうが良いでしょう。
共有不動産トラブルを防ぐ家族信託2 成年後見制度
親の不動産を兄弟で共有相続した場合、兄弟の1人が認知症などで意思表示できない状態だと不動産の処分が難しくなります。
意思表示できない状態の兄弟に成年後見人をつければ不動産を売却できますが、基本的にその兄弟が亡くなるまで成年後見人に毎月2~6万円程度の報酬を支払い続けることになります。
家族信託を活用すれば、煩雑な手続きや出費を避けられます。
共有不動産トラブルを防ぐ家族信託3 開始年齢の目安
①親が健在の場合は65~75歳が目安
家族信託は、いつでも始めることができます。
親が健在の場合は「65~75歳」が目安といわれていますが、なるべく早めにしておいたほうが安心でしょう。
② 兄弟だけの場合は早めに家族会議を開く
親が亡くなっている場合は、早めに家族会議を開いて家族信託を検討したほうが良いでしょう。
なお、家族信託はお互いの合意があれば、途中で変更・終了することも可能です。
まとめ
以上、不動産の塩漬けを防ぐ「家族信託」をご紹介しました。
高齢の兄弟で不動産を共有した場合、兄弟の意思能力によっては不動産の売却が困難になりますので、ぜひ家族信託を検討してみてください。
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