離婚を考える際、共有していた家の取り扱いについて悩む方もいるでしょう。
とくに売却のタイミングや手続きを誤ると、予想外の金銭的トラブルや手続きの複雑化につながることがあります。
感情面に左右されず、冷静に進めるためにも事前に正しい知識を持つことが大切です。
この記事では、離婚時に家を売却する際の最適な時期や注意すべきポイントについて解説します。
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離婚が決まった場合の家を売るタイミング
離婚が決まったとき、家をいつ売るかは家計や手続きの負担を大きく左右します。
現金化の速さだけでなく、税負担や名義の整理方法が異なるため、夫婦の協力度合いと資産状況を照らし合わせて判断する必要があります。
ここでは、離婚前と離婚後それぞれの特徴を整理し、メリットとリスクを比較をそれぞれ見ていきましょう。
離婚前
離婚前に売却すれば、夫婦が協力して内見や価格交渉を担当できるため作業が円滑になります。
また、売却代金で住宅ローンを完済し、登記上の抵当権を抹消してから離婚協議書を作成できるので、後の清算も明確です。
一方、持分が偏っている場合に売却益を離婚前に分けると贈与税の対象となる恐れがあります。
名義や寄与度に応じた分配が財産分与として認められるかは税務署や税理士に早めに確認しましょう。
また、共有名義でも実質的に片方が負担していた住宅ローンがある場合、按分割合が争点となりやすいため注意しましょう。
具体的には、不動産登記の名義が片方の場合でも、財産分与の対象となる点を誤解しやすいため注意が必要です。
さらに、離婚前に売却を完了させるには、引っ越し費用や新居探しのスケジュールを並行して進める必要があり、早めの準備が不可欠です。
離婚後
離婚後に売却すると感情的対立が薄れ、価格交渉を冷静に判断できます。
また財産分与としての代金分配は原則非課税ですが、著しく偏った配分や時価を無視した評価をおこなうと課税対象となります。
そこで、税負担を抑えるには譲渡所得の特例や、配偶者控除の利用可否を事前に試算すると安心です。
しかし、連絡が取りづらい元配偶者と合意を得る手間、固定資産税や修繕費の負担が長引く点はデメリットです。
ローン残高が売却価格を上回る場合は、任意売却や補填資金の確保が必要となり、金融機関との調整に時間を要します。
任意売却では交渉が長期化しやすく、スケジュールが学齢期の子どもの転校時期に影響することもあります。
また、売却成立後の譲渡所得課税や3,000万円控除の適用要件が変わる可能性もあるため、税理士への事前相談が欠かせません。
離婚時に一時的に空き家となる場合は、火災保険の補償範囲が変わることもあるため、保険会社への届け出も忘れないようにしましょう。
離婚前後の比較と判断のポイント
離婚前後の売却時期については、以下のポイントを確認して判断するようにしましょう。
●夫婦が協力できるかどうか
●住宅ローン残高と物件の時価のバランス
●子どもの学区変更や引っ越し時期など生活環境への影響
●売却益を公平に分けられる税務面の安全性
●別居後の維持費や固定資産税の負担継続リスク
これらを総合し、弁護士や税理士など専門家の意見を聞いたうえで最適なタイミングを決めると失敗を防げます。
判断に迷う場合は、まず不動産会社に簡易査定を依頼し、おおよその売却価格を把握してから家庭裁判所の調停を利用する方法もあります。
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離婚が決まった場合に家を売る方法
売却方法は大きく仲介、任意売却、買取の3つです。
いずれも媒介契約の締結や登記事項証明書の取得、契約不適合責任の範囲確認が必要になるため、全体の流れを把握しておくと安心です。
自宅を共有名義から単独名義に変更する場合は、所有権移転登記と登録免許税が発生する点にも注意しましょう。
仲介
仲介での売却の特徴は以下の通りです。
●市場に公開し相場に近い価格で売却しやすい
●買い手探しから売却完了まで、数か月単位の時間がかかる場合がある
●不動産会社と連携し、価格設定などを柔軟に見直す姿勢が求められる
とくに離婚案件の場合は、引き渡し日や負担割合に関する特約を細かく定め、後のトラブルを防止することが大切です。
内覧希望が集中しやすい週末に夫婦の予定が合わないときは、鍵預かりサービスの利用を検討すると円滑に進みます。
あわせて、決済日も共有しましょう。
任意売却
任意売却の特徴は以下の通りです。
●市場に近い価格で売却でき、残債の返済交渉も柔軟におこなえる
●金融機関など全ての関係者の同意が必要で、交渉が長期化しやすい
●信用情報に記録が残り、一定期間(約5年間)新たなローンを組むのが難しくなる
ローン返済が困難になった時点で早期に専門会社へ相談すれば、差押え前にスケジュールを主導できる可能性が高まります。
また、任意売却後も残債が残る場合は、個人再生や任意整理など法的手段を併用する選択肢もあります。
買取
買取での売却の特徴は以下の通りです。
●買主探しが不要で最短1週間程度で現金化でき、売却損が出ても早期に清算できる
●室内状況を問わず買い取ってもらえるケースが多く、周囲に知られずに売却できる
●価格は相場より1~2割下がる傾向があり、手取りを最大化したい場合は慎重な検討が必要
引っ越し時期や残置物の処理を柔軟に相談できる買取業者もあるため、条件を比較して選択するとスムーズです。
近年は、オンライン完結型の買取サービスも登場しているため、査定結果と資金計画を複数社で比較することが肝心です。
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離婚が決まった場合の家を売る注意点
家を売る際は財産分与、住宅ローン、公正証書の3点を必ず確認しましょう。
さらに、税務上の手当てだけでなく、ライフプランの再設計という観点からも総合的に検討する姿勢が欠かせません。
財産分与のタイミング
財産分与請求は離婚後2年以内とされていますが、2024年成立の民法改正で施行後は5年へ延長される予定です。
また、売却益を離婚前に分けると贈与税が課されるリスクがあるため、離婚後に分配する方が安全です。
さらに、住宅取得資金贈与の特例や配偶者控除など、関連制度の適用可否も併せて検討すると負担を抑えやすくなります。
必要に応じて財産目録を公証人に確認してもらい、評価額に疑義が生じないよう書面を整備してください。
住宅ローン
アンダーローンであれば、売却代金で完済し余剰金を分けます。
オーバーローンの場合は任意売却や自己資金補填を検討し、金融機関と返済方法を協議してください。
保証会社による代位弁済が発生すると競売申立てへ進む恐れがあるため、早期の意思表示が大切です。
また、団体信用生命保険や火災保険が付帯している場合は、解約返戻金や解約手続きの負担をどちらが担うかも事前に決めておくと安心です。
手元資金が不足している場合は、つなぎ融資や親族からの借入れを含めたキャッシュフロー計画を立て、想定外の出費に備えましょう。
公正証書を作成
公正証書に売却益の分配やローン返済分担を明記し、強制執行認諾文言を付けると履行確保が容易です。
作成費用は数千円から数万円ですが、公証役場での手続きは1日で完了し、将来の紛争防止という保険と考えれば負担は小さいでしょう。
さらに、養育費や慰謝料の支払い条項も同時に記載すると管理が一本化され、督促の手間が省けます。
ただし公正証書案を作成する際は、弁護士が同行すると条項漏れを防げるため、早期に相談して内容を固めましょう。
売却や分配の条件は税理士、司法書士、宅地建物取引士などの専門家へ早めに相談し、最適な手続きを選択してください。
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まとめ
離婚時の家の売却は、タイミングを見誤らなければトラブルの回避や手続きの円滑化につながる可能性があります。
仲介・任意売却・買取など複数の売却方法があり、それぞれメリットや流れが異なるため慎重な選択が必要です。
財産分与やローン残債の処理、公正証書の作成なども含めて、計画的に進めることが大切となります。
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