「財産目録」というのはあまり聞きなれない言葉ですが、わかりやすく言えば「所有する財産をリスト化」して残すことです。
財産を項目や金額で一覧表に残しておけば相続人が遺産を確認する手間が省け、遺産相続もスムーズに進みます。
今回は、財産目録についてご紹介したいと思います。
財産目録を作成したほうがよい理由とは?
財産目録は土地や建物、有価証券、積立預金、預金、現金、車両など保有している財産をリスト化し、項目と金額をあきらかにしておくものです。
生命保険も課税対象となりみなし財産となりますので、忘れずに記入しておきましょう。
財産目録がない場合、相続人が、故人にどれだけの財産があったのかを正確に把握できず、手続きがとどこおってしまいます。
そこで相続人の手続きをスムーズにおこなうため生前から財産目録を作成し、残された家族が戸惑うことのないよう配慮することが大切となります。
もし財産リストがないと家族が本来相続すべき財産を正確に把握できないため、知らない間に土地や建物、預金、生命保険などの大事な財産が埋もれてしまい子孫に継承されない可能性があります。
財産を確実に親族に受け継いでもらうためにも財産目録が非常に重要な役割を果たすことがお分かりになるでしょう。
残された家族にとって遺産相続のための期間は10か月しかありませんので、生前に財産目録を作成しておきましょう。
ご自身でリストを作成する場合、インターネットで財産目録用の書式が公開されていますので、定型フォームを利用すると便利です。
遺言状とは違い法的拘束力のない書類なので、使いやすい書式で財産目録を作成しておきましょう。
マイナスの財産もあきらかに!財産放棄の目安になる
財産は現金や預金、土地、建物、有価証券などプラスの財産だけではありません。
銀行からの借入金や各種税金の支払いなどはマイナスの財産、つまり負債となります。
遺産相続はプラスの財産もマイナスの財産も両方継承することになりますので、相続人が故人の遺産を相続するか放棄するかについて、とても大事な判断材料になります。
もし負債額のほうが多ければ財産放棄を選択できるため、結果的に相続人の負担軽減につながります。
財産を放棄するかどうか決めるための期間は3か月しかありませんので、財産目録があればその判断を素早くおこなうことができるのです。
もし相続人が遺産相続をおこなった後に「実は数千万円の借金があった」と判明すると大変ですので、負債に関しても残らず目録に記載しておきましょう。
まとめ
財産目録は所有する財産の一覧表ですが、この目録があるだけで相続人の負担が軽くなります。
遺言状のように厳格な形式はありませんので、ご自分の作成しやすい方法で目録を作成しておくと安心です。
財産目録を作成することでご自分の財産や負債を正確に把握できる効果はもちろん、遺言書作成のための資料としても有効利用できますので、ぜひ作成しておきましょう。